公演情報

PDF表面:マリア・ジョアン・ピリス&アントニオ・メネセス デュオ・リサイタル2015

PDF裏面:マリア・ジョアン・ピリス&アントニオ・メネセス デュオ・リサイタル2015

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ピアノとチェロが織り成すアンサンブルの妙!奇跡のデュオ再び!

マリア・ジョアン・ピリス&アントニオ・メネセス
デュオ・リサイタル2015

タイトル マリア・ジョアン・ピリス&アントニオ・メネセス デュオ・リサイタル2015
日 時 2015年11月4日(水) 7:00pm開演(6:30pm開場)
会 場 札幌コンサートホール Kitara大ホール
料 金

S ¥ 7,000 / A ¥ 6,000 / B ¥ 5,000  (税込)

※車椅子席 ¥ 3,000 (オフィス・ワンで取り扱い)

出 演 マリア・ジョアン・ピリス (ピアノ)、 アントニオ・メネセス (チェロ)
曲 目

【プログラム変更のお知らせ】

当初予定しておりましたベートーヴェンのソナタ第4番と第5番が、ソナタ第2番と第3番に変更されることになりました。

変更後のプログラムは下記の通りです。

  • ●ベートーヴェン:ピアノとチェロのためのソナタ 第2番 ト短調 Op.5-2
  • ●ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 Op.111
  • ●J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調  BWV.1008
  • ●ベートーヴェン:ピアノとチェロのためのソナタ 第3番 イ長調 Op.69
リンク
コード [Pコード] 264-840 [Lコード] 14643

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現代最高峰のピアニストと、ミュンヘン、チャイフスキー世界2大国際コンクールを制覇したチェロの名匠。2013年日本ツアーで絶賛を浴びた夢のデュオが再びKitaraのステージで実現いたします。

二つの楽器が響き合う絶妙のアンサンブル、聴き応えのある名曲の数々がどんな新しい輝きをもってよみがえるのでしょうか。又とないこの機会、是非お聴き逃しなく。

マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ) Maria João Pires, Piano

「清廉かつ虚飾を排し、詩的で癒しの力に満ち、そして一筋の風の様に軽やか、そんな稀有な演奏」

(2012年6月タイムズ紙評:ロンドン交響楽団との共演)

マリア・ジョアン・ピリス

現代を代表するピアニスト、マリア・ジョアン・ピリスは、芸術への真摯な姿勢、語りかけるような表現力、そして生命力にあふれた演奏で、聴衆の心をつかんで放さない。

1944年7月23日、リスボン生まれ。

生活、地域社会、教育における芸術の活用の新たな方法の確立を命題に様々な活動を行っている。10年前から世界中の学生に数多くのワークショップを開催、日本、ブラジル、ポルトガル、フランス、スイスに彼女の哲学と指導を広めている。

近年、ベルギー エリザベート王妃音楽院で教鞭を執り、非凡な才能に恵まれた若いピアニストたちと活動している。

エリザベート王妃音楽院はピリスの信念に共感し、2つのプロジェクトを立ち上げた。

一つは「パルティトゥーラ・プロジェクト」。このプロジェクトは、さまざまな世代のアーティストをつなぎ、自己の利益の追求だけを求めるのではなく他者との共存、他者との分かち合いを目指すもので、競争を重視しがちな現代に、新たな潮流を作ろうとするものである。

パルティトゥーラ・プロジェクトの一環としてこれまでにイタリア、スペイン、ベルギー、オランダ、カナリア諸島、フランス(パリ市立劇場を含む)、イスタンブール、ロンドンのウィグモア・ホールでリサイタルを行っている。

もう一つが、「イクイノックス」。このプロジェクトは、6歳から14歳の恵まれない境遇にある子供たちを、合唱への参加を通して支援する社会プログラムである。

2014/2015シーズン、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団、ボストン交響楽団、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、フランス国立リル管弦楽団、ルツェルン交響楽団、ロンドン室内管弦楽団、スペイン国立管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団、スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、ブダペスト祝祭管弦楽団、ヨーロッパ室内管弦楽団等と共演、アントニオ・メネセスやオーギュスタン・デュメイとの室内楽演奏など多彩な活動を続けている。

独奏曲、室内楽、オーケストラとの作品など幅広い作品を録音しているピリスの最近の録音としてオニックス・レーベルへの移籍第一弾 ベートーヴェン作曲ピアノ協奏曲第3番、第4番(ダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放送交響楽団)がある。2014年夏には、ピリスの70歳の誕生日を記念して、エラートから1970年代と1980年代の録音が再リリースされたほか、ドイツ・グラモフォンもソロ・レコーディングをすべて収めたボックス・セットをリリースした。

アントニオ・メネセス(チェロ) Antonio Meneses, Cello

1957年ブラジル生まれ。16歳の時、南米ツアー中のアントニオ・ヤニグロと出会い、渡欧。1977年ミュンヘン、1982年チャイコフスキーの両国際コンクールで優勝を果たす。

ベルリン・フィル、コンセルトヘボウ管、ロンドン響、イスラエル・フィル、サンクト・ペテルブルグ響、スイス・ロマンド管、ニューヨーク・フィル等の世界のオーケストラと共演を重ねる。共演した指揮者には、カラヤン、ヤンソンス、アバド、プレヴィン、ブロムシュテット、テミルカーノフ等が挙げられる。

プエルトリコのカザルス・フェスティバル、ザルツブルグ、プラハの春、モーストリー・モーツァルト、カラムーア、タングルウッド、ラヴィニアなどの音楽祭に多数招かれる。フェルメール・クァルテット、エマーソン弦楽四重奏団、メナヘム・プレスラー(ピアノ)、マリア・ジョアン・ピリス(ピアノ)等と度々共演。1998年より解散までの10年間ボザール・トリオのメンバーとして世界ツアーを行う。最近では、2013年にピリスとのデュオを東京、松本、札幌で行い、絶賛を博した。

録音は、カラヤン指揮ベルリン・フィルで、ブラームスの二重協奏曲、シュトラウスのドン・キホーテをドイツ・グラモフォンから。C.P.E.バッハの3つの協奏曲、ハイドンの協奏曲等をリリース。バッハの無伴奏組曲の再録音、シューベルト、シューマン、メンデルスゾーンのチェロソナタ等があり、プレスラーとのベートーヴェンのチェロソナタ全集は高い評価を得た。

現在バーゼル(スイス)在住。ベルン音楽院で後進の指導にもあたる。

★ピリスとメネセスのデュオ 毎日新聞 2013年3月25日(月)夕刊

アンサンブルの極意

マリア・ジョアン・ピリスはつい先日、ロンドン響日本公演で至高のソロを聴かせてくれたばかり。今度はブラジル生まれの名手、チェロのアントニオ・メネセスとのデュオが、満場のファンを魅了した(18日、東京・すみだトリフォニーホール)。

デュオ・リサイタルとはいえ間にソロ曲目も挟む、ピリスお気に入りの流儀で構成されたプログラムは、ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第2番で始まる。悲哀に満ちた第1楽章の序奏部、玲瓏な音色で歩むピアノに、チェロはその影を踏むように追従して、典型的なピアノ主導型のデュオかと思わせた。だが主部に入るや、2人は互いの個性を探りつつ、気づけばいつしか生じた不思議な一体感のもと、親密に対話を交し合うのである。チェロは渋いが含蓄の深さが無類。対してピアノは、小さな体に音楽がいっぱい詰まったような、独特な充実感が健在だ。

続くソロ、シューベルトの「3つのピアノ曲」D946では、ピリスの枯淡の境地が聴けるのではという甘い予測が、見事に覆された。第1番変ホ短調主部の激しい疾走も、二つのエピソードの対比も、思いのほか鮮烈。牧歌的な第2番変ホ長調はさすがに夢見るようなひとときをもたらすが、それでも随所に、情熱の泉が熱く沸き上がる。

一方後半の1曲目、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番では、メネセスが淡々とした調子で、実にいい味を出した。空間にふわりと遊ぶサラバンドなどまさに絶品。心残りは室内楽には広いホールのお陰で、聞き耳を立てる必要に迫られたことくらい。

リサイタルの締めくくり、ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第3番でも、メネセスは慌てず騒がず。それでいてチェロ・ソナタの王者たる風格をおのずと伝えるあたり、アンサンブルの極意を掴んだ円熟の技だ。このソナタの終曲がかくもさりげなく、滋味豊かに奏でられたのは、稀有のことではなかろうか。

(音楽評論家・大木正純)

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